里山の持続可能な管理を考える、IICRCセミナー

 第3回いしかわラウンドテーブルセミナー「人々のくらしにおける里山の役割」(いしかわ国際協力研究機構=IICRCなど主催)が24日、金沢市の「リファーレ」で開かれ、金沢大学「角間の里山自然学校」から中村浩二教授、川畠平一コーディネ−ターが出席しました。

 今回のラウンドテーブル・セミナーは、里山がいかに人々のくらしと結びついているかを論議するとともに、里山の現状と傾向に触れ、里山を持続可能なかたちで管理していく方法を模索するのが狙いです。

 アルフォンス・カンブーIICRC所長のあいさつの後、4人の講師が講演しました。アデモラ・ブライモー国連大学高等研究所研究員は「人間活動の影響と湿地の持続可能な管理のための選択肢」のテーマで講演、「湿地の減少は回復させるのが困難であり、また回復には非常にコストがかかる」として干潟の埋め立てなど、湿地の過剰利用を促進する補助金の排除などを念頭においた活動が必要と話しました。

 続いて、川畠コーディネーターが「里山における農業とくらし〜石川県の今昔からみた課題と方向性〜」と題して話し、「小泉首相がことし5月、輪島の千枚田を訪れ、絶景だと言ったが、実はあの展望台から見えていたのは4fほどの棚田で、見えない10fほどの棚田は後継者不足で耕作が放棄されているという現状がある」と述べ、里山を再生するためには当事者である農家のほか、市民、NPO、プロ農業者を含めた地域ぐるみの活性化策が必要と訴えました=写真=。

 このほか、中川厳・石川フォレストサポーター会副会長が「地域と協働・里山支援」と題して、田尻浩伸・日本野鳥の会サンクチュアリ室鴨池観察館チーフレンジャーが「江戸時代から続く片野鴨池の環境保全活動」と題して、それぞれの取り組みなどを講演しました。

 この後、中村教授の司会で質疑応答センションが開かれました。その中で、里山の保全管理を市民ボランティアが行う場合でも土地の所有権という問題が常につきまとい、それが里山を再生する上での「壁」になっている現状などが話し合われました。(宇野)